「毎食後歯をみがいているのに、どうして虫歯や歯周病になってしまうのだろう……」と思ったことはありませんか? 実は、毎食後歯をみがいていても、どうしてもみがき残しが出てしまうものなのです。汚れをしっかりと落とすためには、日頃のケアにあわせて歯科医院での専門的な予防処置が必要となります。定期的な検診を受け、適切なメインテナンスを受けることで、初めて予防ができていることになるのです。
予防歯科を受診すると、お口の健康を維持できるのはもちろん、虫歯や歯周病などの早期発見、そして早期治療が可能になることによって、治療期間や費用などの負担も軽くなります。毎日の歯みがきはもちろん、積極的に予防歯科を受診しお口の健康を守りましょう。
虫歯になって歯を削ると、その分歯の寿命が短くなってしまいます。また、歯周病になった場合も、歯周組織を回復させたとしても完全には元に戻らず、結局は歯の寿命を縮めてしまうことになります。歯を大切に一生使っていくためには、予防歯科を受診することは大切なのです。
- 1. 歯が痛むので診てもらったら虫歯ができていて、歯を少し削って詰めてもらった
- 2. 同じ歯がまた虫歯になったので、さらに虫歯の部分を削り、大きな銀歯を入れた
- 3. 銀歯が傷んだことで虫歯が再発し、神経まで虫歯が達してしまったので、歯冠部はすべて人工歯になってしまった
- 4. 人工歯が傷み膿んでしまったので、処置をして人工歯を交換した
- 5. また人工歯が傷み、歯根も残せなくなってしまったので歯を抜いた
このように、一度治療をしても、その後のケアを怠れば虫歯は再発し、放っておけば進行して最終的には歯を抜かなくてはいけなくなってしまいます。せっかく治した歯を健康に保つためにも、治療後もしっかり予防に努めましょう。
プラークに反応する染色液を使用し、どの部分にみがき残しがあるのか確認します。みがき方の癖も把握でき、一人ひとりに合った歯みがき方法の指導に活かします。
患者様一人ひとりのお口の状態に合わせて注意すべき歯みがき時の癖やみがきにくい箇所、歯や歯ぐきへの歯ブラシの当て方、動かし方などを含めた適切な歯みがき方法を指導します。また、歯ブラシなどのデンタルケアグッズの選び方もアドバイスいたします。
- 歯ブラシは、小刻みに軽く動かしながらみがき、歯と歯、歯と歯ぐきの境目に直角で当てる
- 1本1本確実にみがき、一度にだらだらと「なんとなくみがき」はしない
- 歯ブラシのブラシ部分は開く前に交換すると、歯みがきの効果がしっかり出る
- 歯ブラシは、横方向だけではなく縦方向にも動かしみがいていく
専用機器を用いた歯のクリーニングです。普段のセルフケアでは落としきれない歯と歯の間、歯と歯ぐきの溝(歯周ポケット)などに溜まった歯垢(プラーク)や歯石などの汚れを徹底的に除去し、虫歯や歯周病を予防します。軽度の着色の除去や口臭予防にも効果があります。
歯質を強化するはたらきを持つフッ素を歯に直接塗布することで、虫歯菌の出す酸に対する抵抗力を高め、虫歯になりにくい歯にします。また、フッ素には再石灰化を促すはたらきもあるため、ごく初期の虫歯なら治癒が期待できます。定期的に行うと虫歯予防に効果的です。
お口の環境は常に変化しているため、定期検診が欠かせません。定期検診で虫歯や歯周病の有無をくまなくチェックし、変化をしっかり確認・記録することでお口の状況を把握し、適切な予防処置のご提案へとつなげます。
噛み合わせが乱れていると、食べ物がうまく噛めないだけなく、歯みがきのしづらさから虫歯や歯周病を、顎の歪みにつながり顎関節症(※)や肩こり・頭痛などさまざまなトラブルを招いてしまうことがあります。咬み合わせをチェックすることでこれらのリスクを把握し、解決へと導きます。
※「口が開かない」「顎がカクカク鳴る」といった顎周辺に起こる症状の総称です。
虫歯も歯周病も直接の原因は細菌ですが、生活習慣の影響を受けていることもあります。食事・睡眠時間・飲酒・喫煙などの生活習慣についておうかがいし、必要があれば改善のアドバイスを行います。
虫歯や歯周病になってからでは、治療費や期間、身体への負担は大きいものですが、定期検診で早期発見できれば、これら負担も軽くなります。
当院では、予防歯科にとても力を入れています。定期検診の間隔は、中学生以下には半年に1回、大人の方や歯周病になりやすい方には、3ヶ月に1回程度をおすすめしています。ただしこれは目安なので、お口の状態に合わせて検診を受けていただくことが一番です。
定期検診を受けることは、お口を健康な状態に保つことができるだけでなく、すっきりと気持ちいいものです。痛いところが特にないけど……、という患者様もぜひ、一度足を運んでくださいね。